お金に対する考え方や基準は人それぞれ。どう遣いどう管理するか、今は昔と違って様々な方法がある。
賢い方などは、その用途、メリットなどにより、ベストな方法を選択していることと思う。
私の場合、現金のみが一番性に合っている。自分の持っているキャッシュだけで決済するのが簡単でいい。キャッシュレスを推奨する社会の流れからは、思い切り外れているのはわかっているけれど、何事もシンプルにすれば、把握することは容易くなる。
とはいえ、私も人並みにクレジットカードは持っている。しかも複数枚。そして、人並みに使ってもいる。
これは各種公共料金の支払い、ネットショッピングした際の面倒を省くこと、そして使用した額によって得られるポイントがお目当てだ。
現金が一番!と言いながらも、クレジットカードの便利さには抗えないということなのかもしれない。
上手く使えば、こんな便利なものはない。
その便利さゆえ、遣いすぎてしまうというデメリットもあるため、私はどのカードもショッピング、キャッシング合わせて使用限度額を100万円までに設定している。
なぜ100万円かといえば、なんでも100万円と言っておけばいいという、どんぶり勘定的基準だ。
「いくら欲しい?」と聞かれれば「100万円」と答える。「いくら必要?」と問われても「100万円」だ。
冗談とも本気ともつかない、とにかくなんでも100万円と言っておけばいいだろうというふざけた理由なのだけれど、主婦のへそくりで最低持っていなければいけない額が100万円だというから、多少は意味のある数字なのではと思っている。
そこでクレジットカードの限度額も100万円が多からず少なからず、分別ある額だと判断したのだ。
年齢的に考えると、この設定額は低いのだろうけれど、きついストッパーがあれば、それだけ安心だ。
しかもブラックとかゴールドやシルバーといった立派なカードではなく、20代の頃に作ったままの普通カードを50代になっても継続して使用しているのだ。
たまにクレジットカード会社からカードのランクアップや限度額を増やしてはどうかとのお誘いがあったりするのだけれど、必要ないとずっと断り続けている。
ランクアップすれば年会費も高くなる。普通のカードでも十分事足りているのに、わざわざ高い年会費を払って色付きカードにする意味がどこにある?
限度額にしても、そんなにお金を遣うつもりはない!
そんな思いでいた。ところがそんな考えを覆すような出来事があった。
「クレジットカードが使えない」
突然、夫からそう言われた。初めてのことだった。
夫は外国人のため、「信用なし」という事なのか、クレジットカードが作れなかった。もう20年も前のことだ。
その十年後、安定した収入があるため、銀行口座を開設するついでにと申請したところ、またしても作れなかったのだ。
私はといえば、独身の頃から使っていたカードに加え、専業主婦になってからも普通にクレジットカードを作ってきた。
夫の経済力の証明により私は簡単にクレジットカードを持つことができるのに、その経済力を保証する夫が作れないとは。。。
ブラックな履歴があるわけでもないので、なぜ作れなかったのか、未だに謎だ。。。
結局、面倒くさいので夫には私の家族カードを2枚持たせている。
そのクレジットカードが2枚とも使えないというのだ。
最初は磁気不良か何かの手違いでそんな状態になっているのだと思っていた。
それにしても2枚の違ったカードが使えないというのが怪しい。
どこかで不正利用された可能性もある。
これは放置できないと、ネットで確認してみたところ、まさかの限度額オーバー。
クレジットカードを作って以来、初めてのことだった。
これには驚いた。なんと言っても限度額100万円だ。まさか限度額オーバーになっているなど想像もできなかった。
信用できずに、使用履歴を確認してみたところ、100万円も使用した記録はない。
ネットではらちがあかないので、すぐにクレジットカード会社に問い合わせの電話をかけた。
プッシュでメニューを選び、ようやく「オペレーターに繋ぎます」アナウンスがあったと思ったら、そのまま10分近く流れてくるBGMを繰り返し聴いた。なんという時間の無駄か⁉︎
そう思ったけれど、私はそんな無駄にすら耐えられる暇な主婦だ。これくらいで挫けてはいられない。
ようやく繋がったオペレーターのおばさんに、事の顛末を説明し、あれこれ調べてもらった。
その結果、私にとっては想定外の事態が重なったことによって限度額をオーバーしていることが判明した。
まず、4月から次女が大学へ進学したため、次女が登録してある私のカードで、必要なものを幾つも購入していたこと。
それ自体はよかったのだけれど、その中の一つに30万を超える高額商品があった。
「それはこのカードでは買わないで」と言ったところ、次女はキャンセルの手続きをしたそうだ。それが4月末のことだった。
ところが、キャンセル処理済みの連絡があったものの、カード会社の方では未だペンディング状態になっているのだ。
そちらの会社に確認したところ、決済上のキャンセルはその翌月、または翌々月での処理になるという。
ここですでに30万以上の枠は埋まっていることになる。
残り70万はといえば、20万程度は光熱費や携帯電話代など、諸々の支払いによるものだ。毎月それくらいの額は払っている。
これでもまだ半分の枠しか遣ってはいない。
ここで気づいたのが「締日と支払い日の罠」だ。
例えば4月に使用した分を支払うのは5月の下旬になる。
つまり、5月下旬の支払い日になるまでは、使用額がどんどん積み重なるのだ。
請求は月々だけれど、トータルの使用額は約2ヶ月分ということになる。
考えればわかることなのだけれど、これまでそんなことが起こらなかったので、気にも留めていなかった。。。
キャンセルしたものの未だ決済上はペンディングになっている30万に加え、月々の支払い2ヶ月分ですでに70万を超えている。
それでもまだ30万の枠があるはず!
そう思ったけれど、違っていた。。。
自分は使わずとも、家族カードを持った夫が遣っていたのだった。
ここ最近、出張が多く、週のうち何度も飛行機や新幹線で飛び回っていた。そのチケット代からホテル代、ビジネス関連の食事代など全てカード払いにしていたのだ。
大きな額を遣ったら、必ず領収書を渡すようにと伝えていた。そうすればカードの利用状況を把握できるからだ。
しかし、領収書は会社に経費として請求するため、私の元にはこなかった。
こんな時、口頭で伝えておいてくれればいいものを、夫は何も言わずに淡々と数万円単位のカード使用を繰り返していたのだ。
その結果、限度額がオーバーしたということがわかった。。。
この限度額も、4月使用分の支払い日を過ぎれば解除となるのだけれど、どうも気分がよくない。。。
そして、もう一枚のクレジットカードだ。
こちらも使用できない状態だったので、ネットで使用履歴を調べようと思ったところ、なんと登録したパスワードや確認の電話番号など、さっぱり忘れてしまっていた。
設定したのが十数年前で、ずっと使用していなかったので、これか?あれか?と思い浮かぶものを闇雲に打ち込んでいるうちに、どうやらセキュリティロックがかけられてしまった模様。
怪しい者でありません。。。
機械にそう言ってもわかってもらえないので、電話で使用状況のお問い合わせをすることにした。
とても親切なオペレーターの方が、細かく使用状況を説明してくれた。
結果、こちらも限度額オーバーとの回答。。。
口頭で説明はしてもらったのだけれど、自分でも見られるようにと、ウェブ担当の方に繋いでもらい、ロックのかかったネットの方も復活して頂いた。おかげで、後からじっくり使用履歴を見ることができた。
この犯人は長女だった。
長女には私の家族カードを一枚持たせている。海外で暮らしていたこともあるので、万が一のためと預けているのだけれど、帰国後もたまに使用していた。
それが最近、一人暮らしを始めたことで、新生活に必要なあれこれをお手軽にネットで買い物をし、その全てを私の家族カードで支払っていたのだ。
100万円の使用可能額のうち、25万程度は私が次女の大学で必要なものを揃えたりで使用したのだけれど、残り75万はどこへ消えたかと思えば、長女の仕業であったのだ。
こちらもまた前述のカードと同じく、「締日と支払い日の罠」にかかっていた。
長女的には一気に遣ったつもりはなかったのだけれど、実質2ヶ月でこのカードの75%を使い切ったことになる。
このカードの使い方は、一つのお皿に乗ったお饅頭を、4人でシェアしなければいけないにも関わらず、自分だけがお腹いっぱい食べてやろうという考えと同じだ。
10個のお饅頭を一人で7個半も食べるとは、一体どんな神経をしているのかと、我が娘ながら疑ってしまう。
そもそも私のクレジットカードなのに、みんな当たり前のようにバンバンとカードを切る。
私など、たまにお菓子のお取り寄せや、生活雑貨をamazonでお買い物する程度にしかカードは使用しない。
それなのに、自分名義のクレジットカードも持てない家族の方が、好き勝手にお買い物をし、挙句に2枚のカードを限度額いっぱいまで使い切るとは!
頭から湯気が出そうになった。
もちろん支払いは夫がするのだけれど、なんだかあまりに遣いまくられ、モヤモヤが止まらない。
限度額いっぱいでカードが使えないなんて、なんだかお金にだらしない人間のようで、ムカムカしてくる。
このモヤモヤ、ムカムカをどうしてくれようか?
お金のことでゴタゴタするのは本当に嫌いなのだ。それが自分のせいなら仕方がないけれど、自分以外の人間が原因ともなると、「なぜ、もっとしっかりお金を見ないのだ?」と、怒りでイライラする。
まず「カードが使えないぞ」と最初に抗議してきた夫に怒りをぶつける。
そもそも、イレギュラーにカードを使いまくったことも原因の一つだからだ。
しかし相手も怒りを向けられていると察知し、途端に防御に入った。
「そもそも、限度額をなぜ上げない?4人家族なのに枠が低過ぎる!」
夫が私の「100万円基準」を全否定してきた。
「あなたは一体どれだけのお金持ちなの?勘違いしているようだけれど、我が家にとっては100万円はおろか、10万円でさえ大金なの!」
「年収は上がっているし、生活水準も昔とは全然違うのに、20代の頃から限度額が変わらないのはおかしい!」
夫はしきりに私の「100万円基準」がおかしいと繰り返す。
話せば話すほどイライラが募り、健康上よくないので、私は切り札をきった。
「そんなに不満なら自分のクレジットカードを作ったらいい!家族カード、解約してあげるわ」
この一言で、夫は黙り込んだ。
夫によってさらに怒りの炎が激しくなった私は、長女に抗議の電話をした。
この娘の欲望のままにポチポチとするショッピングが最大の原因だからだ。
「今すぐカードで買い物した分の現金をもってきなさい。来ないなら取り立てに行きます!」
長女は夫と違ってとても素直だ。
「ごめんなさい。引越しで必要なものとかあって遣い過ぎちゃった。カード切った分の現金はあるので、次に会った時に渡します」
ほら、このように素直にごめんなさいをすれば、お話は簡単に済むのだ。
済むけれど、ムカムカとした気持ちが完全に消えるわけではない。
そんなわけで、ブログに書くことでストレス発散(笑)
書くことは時に心を鎮めることに役立つものだ。
家族には私がGOサインを出すまでは、一切カードを使用してはいけないと禁止令を出した。使おうと思っても使えないけれど(笑)
一度フラットな状態にしておかないと、また面倒なことになる。
クレジットカードを使用せず、現金払いをして、少しお金に対する意識を変えて欲しい。
カードだからこそ、あのような乱暴な遣い方をするのだから。
家族カードというのも良し悪しだ。
思えば私も実家にいた頃は、父の家族カードを使用し、時に「遣いすぎだ!」とお説教されたことがあったっけ。。。
お金の勉強としては、いい機会になったはずだ。長女は遣ったカードの分を近日中に私の元へ返済にこなければならない。
ごそっと手元から現金がなくなれば、どれだけ無謀に買い物をしたか実感できることだろう。
夫にもしばらくはクレジットカードの使えない不便な生活をさせて、連絡を怠ったことを反省してもらうことにする。
支払いが自分でも偉そうにして欲しくはない。あくまでもカードの名義人は私であり、与えてもらっているカードなのだから「限度額が低過ぎる!」などとキレる前に、もっと謙虚になるべきなのだ。
クレジットカードを使う際に、肝に銘じていることがある。
銀行に遣った金額が支払える額のお金が必ずあること。これさえ守っていれば破産することはない。
今回、家族は大変たくさんのお買い物をしたけれど、長女も自分の貯金で支払える枠で買い物をしたということで、お咎めはなし。
しかし、あらためてお金については話さなければと感じた。
夫の方は自分の収入もわかっているのでいいとして、今回のように限度額問題もあるので、今後は報告は怠らないように話した。
何を言われようが私の「100万円基準」は変わらない。限度額も上げるつもりはない。
私は一生「100万円基準」でいるつもりだ。
すべてはしっかり把握し切れなかったことが問題だ。今後、今回のようなことにはならないだろう。そう考えると、よいお勉強になった。
そして、ますます「現金が一番!」という思いが強くなったのだった。
ところで、私はまだ使えるクレジットカードがあるので、不便な思いはしないで済む。
この事実を隠し、「カードがー!」と、わざと大騒ぎしている意地悪な私なのであった。