In other words

I really don't know life at all ...

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瞳孔全開体験。加齢による飛蚊症という診断を受けて。。。

自分にとって衝撃的な出来事があると、すぐにブログに書きたくなってしまう。
誰かに話すよりも、ブログに書きながら自身の心境とやらを追った方が、はるかに冷静になれるからだ。

今朝、眼科へ行った。

3日ほど前から時折視界を遮るように、黒い何かが私の目の中を飛び回っていることに気づいた。
昨日の午後になると、黒い物はさらに大きくなり、煙のように時折現れては視界の中でゆらゆらと動く。
痛くも痒くもないけれど、鬱陶しいことこの上ない。

さらに朝になると、なんとなく視界がぼんやりとしているように感じられた。
元々ひどい近視なので、裸眼ではいつもぼんやりとしか見えないのだけれど、なんとなく明度が違うというのか、普通でない気がしたのだ。

これはなにか眼の病気にでもなったのか?
さすがに心配になってきた。

たとえ眼科といえど、病院と名のつくところへは、なるべく足を踏み入れたくはない。これまで散々お世話になってきたのだ。もう十分ですと言った心境なのである。
しかし、異常を感じる以上は放置しておくわけにはいかない。
ネットで調べてみたところ、その症状にはさまざまな病気とも言える可能性があった。

これまで罹患した大病も、早期発見したおかげで急死に一生を得たのだ。
人間、好むと好まざると、やらねばならぬことはある。

幸い予定は何もない。

そんなわけで眼科へ行くことにした。





相変わらず早起きで、朝は時間があり余っている。眼科の診療開始時間に合わせて家を出た。

最近は母親の付き添いで、また子供達が幼い頃にも何度か来たことのある眼科である。
受付の感じの良いお嬢さんなどは、すでに顔見知りだ。

とても人気のある眼科で、近隣住民のみならず、かなり遠くから来ている人も少なくない。
手術でも受けるのだろう、スーツケースを持って家族で来ている人もよく見かけた。

いつもかなり混雑しているので、待つこと覚悟できたものの、たまたまいつものような混雑はなかった。

少し待ったところで名前を呼ばれ、まずは検査。視力や眼圧など詳しく調べてもらいながら、症状について述べた。

そこで言われた看護師さんの一言に震え上がった。。。

「もしかしたら、これから瞳孔を開くお薬を使って調べるかも知れません」

「瞳孔開かせるんですか⁉︎」

恐怖に慄いた。

生きているのに、無理矢理お薬で瞳孔を開かせるなんて怖すぎる。。。

開いた瞳孔は大人しく閉じてくれるのだろうか?
猫なんかも昼間は黒目が小さいけれど、夜になると全開になるから、瞳孔は伸縮自在なのか?

疑問に思うことは多々あったのだけれど、問題があるから眼科に来たのだ。もはやまな板の上の鯉である。
必要だと言われた検査を拒んでは、なんのために来たのかということになる。

言われるままに、大人しく診察室に入り、医師に右眼を委ねた。





強い光を当てられて、右眼のみならず、いたって元気な左眼までも何やら調べているようだった。
こんな小さな目の玉のどこに、そんな見るところがあるのか、考えたらおかしくなり笑いを堪えた。
真面目にしていなければいけない時に、突如笑いの発作が起きるのは、幼い頃からの悪い癖だ。

きちんとした大人にならねば。。。


「今日はお車ですか?」

医師から突然尋ねられ、「歩いてきました」と答える。

「この後、予定はありますか?」

さらに医師は尋ねてきた。

なぜそんなことを聞く?
まさかランチのお誘いをするわけではなかろう。

「予定はありません」

思惑もわからぬまま答えた私に医師が一言。

「では、瞳孔開きましょう」

前述の質問の意図とは、つまり瞳孔を開くとその後数時間は開きっぱなしのため、とても眩しくて視野が悪くなるからだという。

やはりランチのお誘いではなかった。

瞳孔を開くのはとても簡単だった。
知る前は恐怖に思っていたけれど、ただポツンと目薬のようなものを一滴、目の中に垂らしただけである。

そのまま30分ほど待つように指示をされた。

眼科の帰りに好きな和菓子屋さんで期間限定の和菓子を買って帰ろうと計画したので、時間が気になる。

私が瞳孔を全開にしている間に売り切れていたらどうしよう。。。そう思うと、ソワソワと落ち着かない気持ちになった。





途中、夫から電話が入ったのだけれど、病院の中なので取れない。
今朝の電話で「目の調子がすこぶる悪いので、今日は眼科へ行く。電話はとれない」と言っておいたのに、またかけてきた。

相変わらず人の言うことを聞いていない。自分の感情最優先で生きるアングロサクソン

電話に出ないとわかると、LINEを送ってきた。
見ると、「眼科での診察結果を知らせてね」といった内容だった。

途中経過を返信しておこうと思ったけれど、「瞳孔を開く」と日本語で書いても、外国人の夫には理解できないだろう。

重要なことはすべて英語でなければならない。

しかし、「瞳孔を開いているところです」などというボキャブラリーは私にはない。

Googleに聞いてみた。

瞳孔 英語で検索すると「pupil」と出た。
なかなか可愛らしい名詞だ。

瞳孔が開くの「開く」は直訳でopenではなく、dilaitを使うらしい。。。

なるほど勉強になるものだ。
英語など日常生活に支障ない程度にできればそれでいいと思ってきたけれど、そんな怠慢がいま支障をきたしている。
どんな単語もいつ必要になるかわからない。しっかり勉強しておくべきであった。

瞳孔=pupil

心の単語帳にしっかり記した。





夫にLINEの返信しようと思ったその時、右眼の異変に気づいた。。。

これは。。。

なんだ。。。

右眼が次第に霞み、たくさんの光が私の右眼に差し込んでくる。

黄金色に輝く輪のようなものまで見えてきた。

これがまさかの瞳孔全開状態⁉︎

死の間際、その眼に映るものとは、案外美しい世界なのかも知れない。。。

そんなことを考えながら、これまで見たことのない光に満ちた世界を体感したのだった。

ふと、開いた瞳孔はどんな状態なのだろうか?と興味がわいてきた。瞳孔全開のチャンスなど、今後あるかわからない。もしかしたら最初で最後から二番目になるかもしれないのだから、開いているうちに見ておかねば!
最後の時は自分では見られないのだから。

こんな時に限って手鏡を持ってきていなかった。仕方がないのでスマホのカメラを反転させ、自分の眼を映すことにした。

しかし、これはダメだった。光の反射や角度が定まらず、きちんと見えない。なんとなく左眼の方が黒目が大きく愛らしくなった気もしたけれど、あくまでも気がしただけだ。。。

はや夫にLINEの返信をするどころではない。

あれこれと角度を変えたり、微妙に場所を移動したりしながら、スマホに映る左眼を観察していたら、名前を呼ばれた。

再び診察室に戻った私に待っていたのは、光による容赦なき攻撃だった。

検査台に顎を乗せ、眼をこれ以上開かないくらいに見開く。
私に許されたのは一点凝視のみだ。

全開になった瞳孔が丸裸になったところで、繰り出される光の攻撃。

ま、眩しい。。。

角度を変えては、強い光が無防備になった瞳孔をこれでもか、これでもかと刺してくる。

もはや一点凝視は限界。。。

そう思ったところで、医師は「右を見て、次は右上、はい左、左下〜」と、私の眼球をくるくると回していく。

10分ほどそんなことをしていただろうか。

ようやく診断結果が出た。





「恐らく、加齢による飛蚊症でしょう」

安堵とショックが同時に押し寄せてきた。

飛蚊症に関しては昨夜ネットで検索済みだ。
加齢によって硝子体が収縮し、奥の網膜が剥がれ、その影が視界に映るという、よくある現象らしい。

そして、これは治療で治るものではなく、加齢による自然現象と捉えるがいいというものらしい。つまり黒いチラチラは慣れるしかないのだ。

加齢による現象を思い切り自覚して、かなりショックであった。

稀に網膜裂孔といった深刻な事態になっているケースもあるとのことで、瞳孔を開いてまで検査をしたのだけれど、結果そのような兆候はなしとのことだった。

ただ、眼のかすみに関しては、少量の出血がある可能性も拭いきれないので、来週また来るようにと言われた。

瞳孔を全開にしたとて、眼の奥の奥まではさすがに見えないらしい。実際のところ、見えない病気が隠れていることもある。

眼科に限らず、どんな症状で病院へ行っても、病名を断言されることは案外稀だ。
人は各人違った体質や遺伝を持っている。これまでの症例が全て自分に当てはまるわけでないということは、これまでの通院でよくわかっていた。

安心していいのかダメなのかわからないけれど、ただ一つ確かな事は「歳をとった」ということなのだ。
それを改めて突きつけられ、少しだけ気落ちした。

つける薬もなければ、治る可能性もない。そんな老化現象という診断を抱え、眼科を後にすると外は霧のような細かい雨が降り始めていた。





つい最近まで、夫の単身赴任に「バラ色の人生だわ!」と浮かれていたけれど、一転して暗い気持ちになった。

しかし、人生とは良いこと、悪いこと、同じようにやってくるものだ。
いいことばかりが続くと、必ず天はバランスを整えるべく、悪いことも連れてくる。

この老化現象によるショックによって、うまくバランスがとれたと思えば、この程度で済んでよしと、むしろ喜ぶべきなのだろう。
私は幸せ過ぎたのだ。。。

まだ開ききった瞳孔に入り込んでくる光が眩しかった。夏のギラギラとした晴天でなくて幸いだ。
 
気分を変えようと、予定通り好きな和菓子屋さんへ寄った。
片眼が光に塞がれた状態でも、お目当てのお饅頭はすぐに見つかった。
瞳孔全開の労をねぎり、ついでにお店のおすすめ、限定羊羹も買った。
これらの味を想像するだけでもテンションは上がってくるものだ。


帰宅すると次女が家に居た。大学はお休みして、家で課題をやっていたようだ。

洗面所で手を洗っている時、鏡を見ると黒目がとんでもなく大きくなっているのがわかった。

これが瞳孔が開いた状態か⁉︎ すごい!

すぐさまスマホ片手に次女の部屋に飛び込んだ。

「見てみて!瞳孔全開だよ!」
「記念に写真撮って」

私の眼を見た次女。。。

「すごい!キモっ!」

心配するどころか、興味津々で覗き込み、パシャパシャと写真に撮っては、ケラケラと笑っている。

そして最後に、、、

「いつまでそんな魚みたいな眼なの?」

彼女の目には「魚の目」に映ったようだった。。。

医師によると、元に戻るには3〜4時間くらいはかかるという話だった。
つまり、夕方近くならないと戻らないというわけだ。

視界に明るすぎる光が入り込み、ぼんやりな状態でいたら、頭が痛くなってきたので、眼を閉じることにした。

昨夜はたっぷりと睡眠をとったけれど、老眼を休ませるための昼寝である。

いくらでも眠れるのは、若い頃から変わらない取り柄の一つだ。
ソファーに横になり、瞳孔様が落ち着くのを待ったのであった。。。





それから3時間ほどして目覚めた。
しかし、まだ瞳孔は開いたままだ。

あの瞳孔全開目薬を点眼して5時間くらい経過した頃、ようやく眩しさが和らぎ、瞳孔が若干小さくなってきた。
とはいえ、夕方の時点でもまだ魚の目だ。
完全復活からはほど遠い状態である。
医師は3〜4時間くらいと言っていたけれど、これは個人差があるのだろう。
6時間経過した時点で、まだ私の瞳孔は黒々と開いていた。

9時間後、かなり小さくなってきたものの、まだ一回りほど大きい。しかし、眩しさは無くなり、明度も左眼と変わらないくらいに回復してきた。

ここは備忘録として、しっかり記しておきたいところだ。

楽しみに準備していたパン作りもできず、パソコンもスマホも本すらも見づらく、無理をすれば頭痛。。。
なんとも不自由なものだ。

普段、身体の方は多少なりとも気遣っているけれど、眼に関しては視力の悪さ以外はまったく問題がなかっただけに、ノーマークであった。

中年期になったら、自身の健康には決して楽観するべきではないと、改めて感じた。

来週、経過観察として再び診察に行く予定だ。
その頃までには瞳孔は完全に閉じていることと思うけれど、「老化」による飛蚊症とは一生のお付き合いとなるのだ。

10時間経過した今、ようやく普段通りの視力に戻ったようだ。なにはともあれ、瞳孔が元通りになってなにより。

医師の言うように、自然現象だと割り切って、黒いモヤモヤと戯れながら明るく生きていこうと思う。