In other words

I really don't know life at all ...

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50代からの温泉湯治。お湯、宿、食事、理想的な旅のスタイル。

年齢と共に旅の目的も変化する。
10代の終わり頃までは、親の決めたプランによる旅に同行するだけだった。
そして20代、一人で旅に出るようになった。
好奇心旺盛ゆえ、あちらもこちらも、欲張ってクタクタになるまで見られるものを見尽くしてやろうと旅の間動き回った。
そして30代、40代は家族と共に旅をすることがほとんどだったため、子供達に色々なものを見せ、少しでも多くの経験を積んでほしいと、これまた旅の間は大忙しだった。

そして50代。また一人で旅に出られるようになった。
これまでのように、新しいものを見て、新しい経験を積むという旅ではなく、50代からの旅の目的は、ズバリ「くつろぎの旅」だ。

時間に追われるようにあちらこちら観光するのではなく、豊かな自然の中でのんびりと手足を伸ばして温泉に浸かる。
静かな宿で好きな本でも広げ、眠くなったらうたた寝をし、起きたらまた温泉。
宿では華美ではない家庭料理のような食事だけ用意してもらえればいい。
そんな風に3日ほど過ごして、また東京に戻る。
これがベストだ。





旅をするにあたりNGとしていることがいくつかある。

まずは、車がないといけない温泉地。
私は列車での旅が好きなのだ。車窓に流れていく景色を楽しみながら、ゆっくりと駅弁などをいただきながら、目的地を目指す。
これも旅の醍醐味であると思っているので、一人旅は必ず列車と決めている。
車で秘境と言われる奥の方まで行きたいと思うこともあるけれど、私は車の運転免許はあれど、運転が致命的に下手くそなので、人様の迷惑にならぬよう、日本では車の運転はしないようにしている。


賑やかな温泉街もNGだ。
温泉に行く目的は、一人静かにのんびりとするのが目的だ。余計な行楽は必要ない。
温泉こそがエンタメなのだから、人の多い賑やかな温泉街はなるべく避けるようにしている。


懐石のような豪華な食事の出る宿も必要ない。
豪華食材を使った食べきれないほどの料理は、むしろ胃腸に負担がかかる。くつろぎの旅なら胃腸にも少しお休みをあげたい。

特別なものが食べたければ、それを目的に都内のレストランで楽しめばいいだけ。旅先ではそれを求めてはいない。

そもそも、主婦にとっては、自分がキッチンに立たなくても食事が出てくるというだけで、たいそうな贅沢となる。
温泉湯治が目的であるなら、胃腸に優しい、地のお野菜などを使った、家庭料理などだと嬉しい。


広すぎてお風呂まで遠い宿も、可能であるなら避けたい。
大きな旅館やホテルだったりすると、部屋によっては大浴場までの道のりが果てしなく遠いことがある。
温泉に来たら、一日に何度もお湯に浸かるため、あまり遠いと面倒になるのだ。
面倒でも温泉に入りたいがために、足を運ぶことになるのだけれど、近いに越したことはない。

小さなお宿であれば、果てしなく遠いということはまずないので、なるべく小さなお宿を選びたいと思っている。





トイレや洗面所が共同というのも、一応NGとしている。
一応というのは、まだそのようなお宿に宿泊した経験がないので、ちょっとおよび腰なのだ。
もしかしたら、まったく不自由などないかもしれない。そう思うと、一度くらい経験してみようかとも思ったりもする。
それでお宿のチョイスが増えるかもしれないのだ。
ここは、まだ思案中と言ったところ。


最後にもっとも大切で、これはマストな項目として、あげたいのが、「一人であること」だ。
同行者ありきの旅はNG。断然旅は一人旅派だ。

若い頃はそれなりにお友達との旅行も経験した。みんなとワイワイするのも楽しいけれど、同じくらい不自由を感じていた。
自分のしたいことと、他の人がしたいことは必ずしも一致しない。お互いにどこか妥協しなければいけないので、自分のペースで行動できないことがストレスになったりする。

温泉でのんびり身体を休めようというのに、人に気を遣っていては到底休まらない。
特に私は温泉へ行くと、ほとんどお宿にこもって、一日に何度でも暇さえあればお湯に浸かっている。
同行者がいたら、「またお風呂?」と不満に思うことだろう。
観光もせず、ただひたすらお風呂に浸かるだけなら、誰かと一緒に旅をする意味がないということになる。

好きな時間に出発して、場合によっては列車の時間を遅らせたり早めたり、途中で好きなものを食べ、気が向けばぶらぶらしたり、たまたま見つけた喫茶店でお茶を飲んだり、お宿に着いたらお風呂三昧と、ひとり旅は本当に気ままに行動できる。

自分のしたい旅ができるのが、一人旅なのだ。





しかし、そこで問題なのがお宿選びだ。
昭和の時代に比べれば、「ひとり泊」を受け入れてくれるところも増えてはきた。
「おひとりさま」という言葉が言われるようになって久しいけれど、宿泊に関しては、やはりまだ不自由に感じることが多い。

このお宿に泊まってみたいと思っても、一人泊を受けつけていないお宿は少なくない。

そこで参考になるのが、いわゆる温泉好きさんによるブログだ。
私はいくつか好きな温泉関連ブログがあり、気になるお宿があれば情報を控えておくようにしている。

先日の温泉旅行でお世話になったお宿も、そんなブログ記事を見て、かなり理想に近いなと選んだのだった。

チョイスは限られているとはいえ、まったく一人泊ができないというわけではない。
これはしっかりリサーチすることで解決できる。
特に私は仕事もしていないので、平日に旅をすることができる。週末泊に比べると、まだ恵まれているのかもしれない。


温泉湯治なら、普通は泉質なども考慮するところだけれど、私は特にこだわりはない。
元々、体調がすぐれない時など、家のお風呂に浸かっているだけで改善されると思っているお風呂好きなので、効用など一応は見るけれど、どんな泉質でも温泉に浸かっているだけで調子がよくなるのだ。

強いて言えば、源泉掛け流し、ジャブジャブと温泉が湧き出してくれると嬉しい。
温度はあまり熱いのは長湯できないので、42℃くらいが好みだ。

温泉湯治といっても、私の場合は温泉ならなんでもOKなのである。





旅で気になるのが、やはり予算だろう。
日本は交通費がとても高いと感じる。少し遠方へと思えば、新幹線を使うことになるのだけれど、これだけで数万円はかかる。

そこは仕方がないので、どこで調整するかといえば、やはり宿選びだろう。
旅行関連のサイトや雑誌などを見ていると、それはそれは魅力的なお宿が山ほどある。

私の場合、2泊3日の旅が基本なので、2泊分の宿泊料になる。
若い頃であれば、これからいくらでも稼げるし、贅沢しよう!となるけれど、今は違う。あるものを守る時期にきていると思っているので、定期的に旅を楽しみたければ、ある程度予算を抑えることも考えなければいけない。

一泊5万円のお宿よりは、同じ額で2泊、3泊できるお宿選ぶ。
NG項目からすると、むしろ家族経営の比較的宿泊費の安い小規模なお宿が向いている。

中年女の気ままな一人旅なら、質素でいいのだ。

新幹線で2時間程度のところで、思い立った時に、少しのお小遣いで、ぶらりと行ける旅。

これが50代からの最適な旅と思っている。

長きに渡った子育てもようやく終わり、とにかく時間だけはたっぷりとある。

あれこれとこだわりのようなものを長々と書いたけれど、第二の人生は、誰にも気兼ねせず、自分のペースで、ひとりのんびり温泉三昧。

これに尽きるだろう。