In other words

I really don't know life at all ...

Sponsored Link

年末調整の還付金が1月になったことで、年末年始の支出が減った。

例年12月の給与には年末調整の還付金が加わるので、今年も給料日の朝、ホクホクと足取り軽くも銀行へ出かけた。
さてさて、今年はいかほどお返ししていただけるのか、通帳を記帳してみると、いつもと変わり映えのしない数字が並んでいた。
期待した還付金が入金されていなかったのだ。。。

なぜ?なぜ?なぜ?
それは困る!

この時まで、私は還付金なるものは必ず12月に入金されるものだと思っていた。
私が働いていた時もそうであったし、何度も転職を繰り返している夫も、常に12月のお給料には還付金が加わっていた。

軽く動揺したため、その場で単身赴任中の夫に電話をかけ「還付金が入ってない!」とやや大袈裟に訴えた。
今年は転職したばかりで、クリスマスも年末年始も返上で仕事をするという夫、12月に入ってからとにかく忙しいようだ。
毎日、朝晩欠かさずにFaceTimeで連絡してくるのは変わらないのだけれど、常に移動の車の中か、デスクに座っている。
本来なら年末調整の還付金などに構っている暇はないといった状況なのだろう。
忙しいところ申し訳ないけれど、私にとっては夫の忙しさよりも還付金なのだ。

お国というのはまったく薄情なもの、悪くいえば姑息で、徴収するときは執拗にとことん追い込んできてまで巻き上げるのに、いざ自分が返す段になると途端に静かになる。こちらが気づかず申請をしなければ、しめしめとそのまま知らん顔をするのだ。

長年に渡り専業主婦などしていると、社会の動きにうとくなるものだけれど、貰えるものは1円たりとも逃しはしないと、お金のことに関しては常に目を光らせ、守銭奴政府に対抗しているつもりでいる。



年末調整の還付金に関しては、会社にお任せできるので、キリキリせずとも還付金は給与と共に振り込まれる。毎年年末調整書類だけは細心の注意を払って記入するのみと、安心し切っていたが、いざ還付されていないと知ると、散々税金を徴収しておきながら、還付金を着服するつもりなのか⁉︎と疑惑の目を向けてしまう。
更年期ゆえ、普段よりも疑り深く、何事にも疑心暗鬼になりがちなのだ。
心身共に普通ではないので、それは仕方ない。

きっと夫もそれを承知しているのだろう。ちょっと笑いながら、「会社に確認するから」と電話を切った。

ここですぐに折り返さないと、更年期妻はますます不安に煽られ、大騒ぎするのは想定内ということで、すぐに折り返し連絡があった。

「この会社は1月なんだって」

1月のお給料と一緒に振り込まれるらしいとのことだった。

還付金が年内に振り込まれないなどということがあるのか。。。
生まれて初めて知ったことだった。

毎年、振り込まれた還付金は「元々なかったお金」と思うことにして、年末年始のご馳走にすべて投入していた。
まるで棚からぼた餅のように思える還付金だからこそ、大盤振る舞いしてきたというのに、それがないとなると、ケチンボな私は途端に消費にもストップがかかる。



私は「これから入るであろうお金」はないものと考える。自分の持っているお金だけが、私のお金なのだ。確実に入るであろうお金でも、自分の手元にこないうちは一切期待はしない。
どんなことも「一寸先は闇」と考えて、お金も遣い方を考えるようにしている。

おかげでこれまで借金とは無縁の人生だ。
数学はあまり得意ではないけれど、足し算と引き算さえできれば、お金が足りないとアタフタすることもない。
あれば遣うし、なければ遣わないだけである。

さすがにこの歳になれば、どんぶり勘定はしないけれど。お金に関しては至ってシンプルに考えるようにしている。

夫は私のことを「お金を遣い切るのが上手」だと、皮肉を言ったりする。
その通りだ。これまで夫から頂いた生活費はきれいに遣い切ってきた。
頂くお金が何十万単位で減っても増えても、多過ぎるとも足りないとも言ったことはない。

夫が転職する際、4ヶ月近く無職であったときも同じだ。
さすがに職安から支給される失業手当だけでは、家賃すら払えなかったので、その期間は貯金を取り崩して賄ったけれど、まだ賄うお金があり、普通に生活ができるのだから、問題はないと考えていた。
この時のように、なにかあったとき、多少のバックアップがないと不安なので、その分はキープしてあるけれど、基本的に入ってきたお金は遣い切ってきた。

夫が言うのは金額の大小に関わらず、しっかり遣い切っている、つまりは帳尻を合わせるのが上手ということなのだ。

しかし50も過ぎれば老後が視野に入ってくる。最近は以前のようにお金を遣い切ることはしなくなった。
むしろ、いかに頂いたお金を余らせ、自分の通帳の残高を増やすか、そんなことに喜びを見出すようになった。これを世間ではへそくりというのだろうか?

へそくりというのは、内緒に貯めたお金のことを言うから、私の場合は少し違う。
私は夫に「見て!今月はね、これぐらい増えたのよ」と、堂々と私名義の通帳を自慢げに見せているのだから。

夫はそれを見て、「我慢しないで好きなもの買って、好きなもの食べなさい」と言ってくれる。
これだけ聞くと、なんと素敵な旦那様かと思うところだけれど、夫の言う「好きなもの」とはせいぜいお菓子くらいだと思っているのだ。
これがダイヤモンドのジュエリーや高級車であったら、「一体なにを考えている?」とお叱りを受けることだろう。

それでも、「あなたは働かずに、自分の好きなことをしていればいいよ」と言ってくれるのだから、私はそれで十分だ。
毎日美味しいご飯が頂けて、好きなお菓子も楽しめるのだから、これも頑張ってくれている夫のおかげだ。ありがたいことだと、いつも感謝している。



高級品の買い物こそしないけれど、自由に過ごしていればそれなりにお金はかかる。
一つのお菓子をお目当てにデパ地下などへ足を踏み入れると、あれもこれもと結局両手に袋を提げて帰ってくる。
お友達とランチに出かければ、ついでにとあちこちのショップを見て回り、細々としたものを買う。
一つ一つの金額は数千円でも、これを繰り返すと塵も積もれば山となる。

お金は「これからいくらでも作れる」と思うから遣えるのであって、そこらへんが不安になってくると、さすがに財布の紐も固くなるものだ。
私はもう自分では働く気はない。夫はあと15年は現役で働くだろうけれど、もう50歳を過ぎているので、この先さらに上に登れるのかどうか。。。
夫本人は「まだまだこれから!頑張りますよ!」と威勢はいいけれど、気まぐれな外国人ゆえ、いつ「もうリタイアすることにしたよ」などと言い出すかわからない。

つまりは、これからを期待するのではなく、するべきは現状維持の努力なのだ。
暮らしていれば日々お金は必要になるのだから、お金が入ってこなければ現状維持も難しくなる。

年末年始はどこのご家庭でも、いつもより支出が多くなると思うのだけれど、それは我が家も同じだ。
その救世主となるのが年末調整の還付金なのである。
還付金で年末年始の支出すべてを賄ってしまえば、持ち出しをすることもなく現状維持できる。

そんな訳で、私にとってはたかが還付金でも、この時期大きな意味を持つお金なのだ。

しかし、会社が1月と言うのなら仕方ない。。。
1月は久しぶりに遠方へ旅行に行く予定だ。2月も3月もすでに旅の予約をしてあるので、ここは気持ちを切り替えて、年末調整の還付金は旅行資金に充てようと考えることにした。

ちょっとばかり動揺したものの、年末調整還付金が1月になることもあると学び、それが来年の旅行に役立つと思えば、それはそれでいいかもしれない。何よりも還付金を手にできなかったせいで、年末の支出が大幅に減ったのだ。そんなことを考えれば、すっきりと溜飲が下がったのだった。。。