今日はちょっと汚いお話しなのだけれど、私にとってはかなり印象に残った出来事だったので、書き残しておくことにした。
これはある商業施設の中にある女子トイレでのこと。
その日、トイレは空いていて、6つあるトイレのうち3つのドアが開いていた。
空いているトイレの一番手前に入ろうとしたとき、便器の中に黄色い液体が残っているのが見えた。
普通なら、「あらあら流し忘れかしら?」と思い、別のトイレに移動するのだけれど、ふと気になった。
便器の中にはお小水と思われる液体のみで、本来あるはずの使用済みトイレットペーパーがなかったのだ。
これは一体どういうことなのだろうか?
トイレの前で考えた。
流し忘れたのなら、トイレットペーパーもそのまま残されているはずである。
まさかフラッシュしたのに液体だけ残り、トイレットペーパーだけが流れるなどという最新式のトイレでもあるまい。
私の知る限り、まだそのようなトイレは開発されていないはずだ。
私がトイレの前で立って考えていると、後から還暦過ぎたあたりのご婦人が入ってきた。
怪訝そうな素振りを背後に感じて振り向くと、「何かあるのですか?」と尋ねてきた。
私がトイレを指差すと「あら〜、流し忘れかしら?」と、当初私が思ったことと同じことを口にした。
「はい。流し忘れだとは思うのですが、ペーパーがないのです」
私がそう言うと「あら〜、よほどお急ぎだったのね〜」と愉快そうに笑い、「お先に」と隣のトイレに入って行ったのだった。
なるほどそういうことか。。。
とりあえず私も空いていた一番奥のトイレに入り、先ほどのご婦人が言った言葉について考えた。
「急いでいた」と言うことは、用をたしたあとに拭くのも忘れて飛び出して行ったということなのか?
拭かなくてもいいものか?
そういえば、お国によっては、拭くことはせず専用のシャワーで洗い流すという習慣があるお国もある。
海外へ行った際に、それ専用のトイレが設置されているのも見たことがあったはずだ。
日本にいると、公共のトイレでもトイレットペーパーが備えつけてあり、ほとんどの便座は暖かい。
そして当然のように用を足したら、トイレットペーパーを使用しフラッシュしてフィニッシュ!
これが当たり前なのだけれど、それは日本がそうなのであって、世界的に見ればそれが必ずしも常識やマナーということではない。
人口の10%にも及ぶ外国人を有する地域だけに、これは日本の常識を振りかざすのはいささか乱暴ではないかと考えた。
トイレから出ると、黄色い液体の残されていた一番手前のトイレは使用中だった。
後から来た人が入ったのだろうけれど、気にはならなかったのだろうか。。。
逆にそんなことを気にする私の方がおかしいのか?
あのご婦人のように「よほどお急ぎだったのね〜」と、朗らかにスルーしてしまえばよかったのかもしれない。
大雑把な割に、時々とても些細なことが気になり、「なぜ?」と思うと、しばらくそれが頭から離れなくなったりする。
これも更年期障害の一つなのだろうか?
他人の言動に関しては、無関心でいたいと常日頃から思っているのだけれど、なぜか最近はこんなことがよくある。
どこのどなたか知らない人が、どうトイレを使おうがどうでもいいことなのに、なぜそうしたのか?そんな理由が気になって仕方ない。
本人がそこにいたら尋ねてみることもできただろうけれど、今となっては全ての答えは想像でしかない。
件のご婦人のように、簡単に答えを出して笑い飛ばし、忘れてしまうのが賢明なのだろう。
そう思ったのだけれど、また今度公衆のトイレを使う際はしっかり注意を払い、願わくばその理由が知りたいと思うのだった。。。